日銀、脱炭素融資を優遇
16日、日銀が脱炭素対応の新制度の骨格や保有外貨資産での
グリーン国債の購入方針を決めた。
- 新制度では、民間金融機関が気候変動対応の投融資を行う際の資金を日銀が金利を0%で供給する他、その利用実績に応じて金融機関が日銀に預ける当座預金にかかる金利が0%になる部分を拡大する。
- 従来、中銀は特定分野に関与することを避けてきた。一方、他の主要国の中銀も気候変動対策を講じており、追随した形。環境分野への投融資を通じて景気・物価の安定に繋げるという思惑。また、中銀が保有する気候変動リスクのある資産の価値が棄損するリスクもあるため、保有資産のクリーン化を進める狙い。
中国 排出量市場が始動 取引対象世界最大
16日、中国は全国統一の排出量取引ルールを定めた。
2060年CO2排出量実質ゼロを目指す。
- 取引の仕組み:中国政府はまず各企業に一定のCO2排出枠を決める。その枠を超過する企業は取引所を通じて、枠に余裕のある企業から排出量を買う。
- 中国は既に一部の都市に限定して取引していたが、規模もルール整備も不足していた。今回、全国の発電事業者2000社超の取引参加を認めた。19年の中国のCO2排出量は98億トン。今回、排出量取引の対象となるのは40億トン程度。
- 今後、更に参加企業を増やし、国際的な脱炭素市場での存在感を高める狙い。
北米の熱波 資源高を誘発
北米の異常な熱波により天然ガス、鉛、農作物などの価格が急高騰。
世界的なインフレ圧力を一段と強める。
- 北半球の上空を吹く偏西風が大きく蛇行したことで、北米西部が熱波に襲われている。熱波により冷房需要が急増し、電力代および米国の発電量の4割を支える天然ガス発電所の原料の天然ガス価格が急騰。
- カナダでも、熱波禍で鉄道輸送時に火花が発生し、山火事を起こすリスクから、輸送効率の低下が懸念され、食用油の原料の菜種の価格が高騰。その他、アジアや南米でも豪雨や乾燥が相次ぐ等、世界的に異常気象が多くなっており、資源の価格変動リスクが高い。
中ロ、アフガン支援急ぐ
反政府武装勢力タリバンの攻勢が続くアフガニスタンの治安悪化に
中国やロシアなどの周辺国が懸念を強める。
- アフガンではタリバン、イスラム国やアルカイダ等が活動し、米軍撤収とともに再び勢力を強めかねない。
- 中ロ、中央アジア諸国は地域統合と投資拡大によるアフガン復興支援を話し合う。一方、タリバンが現政権と協力して新政権を樹立することは容認する構え。
- 周辺国はアフガンの危機がテロと麻薬の脅威を隣国に拡大させるリスクを恐れる。例えば、中国はテロ組織がタリバンと結託してアフガンで活動を広げウイグル自治区に侵入する事態を懸念する。
豪鉄鉱石、人材難で供給減
鉄鉱石鉱山が集積する豪州が、鉄鉱山技師や運転手が不足し、
生産や出荷の減少に追い込まれている。
- 豪州は20年に世界の鉄鉱石輸出の53%を占めた最大の供給国。高品質でCO2排出が少ない特徴がある。足元では中国の鉄鋼増産などを受けて需要が強い。
- 一方、操業および施設メンテや、トラック運転手の不足が原因で供給量が落ちている。大都市部のインフラ開発に人材が流れる他、コロナによる州間の移動制限により、鉄鉱石の主要供給州であるWA州への移動が出来ない。労働力不足による供給源は、当面、鉄鉱石価格においては相場の下支え要因となる見込み。
エーザイ株 急落 米病院が新薬使用見送り
16日、エーザイ株が前日比13%の急落。
開発した新薬の使用を一部の米医療機関が見送る方針を示したため。
- エーザイ株は16日、一時前日比13%安の9100円まで急落。米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬(アデュヘルム)の使用を一部の大手米医療機関が見送る方針を示した。
- 同治療薬は6月初旬にFDA(米食品医薬品局)が承認したが、FDAの諮問委員会の委員らが決定を不服として辞任した他、米議員や消費者団体からもFDAの判断を疑問視する声が相次いでいる。
- 今回の決定でメディケアなどへの採用も懸念され、普及へのハードルが高くなっている。
アルミ二次合金 最高値 7か月連続、車向け堅調
自動車のエンジンなどに使うアルミニウム二次合金の取引価格が
前年比で1%上昇し、最高値を更新した。
- アルミ二次合金は、自動車のエンジンブロックなどの材料。指標品のAD12.1は7月分の問屋卸値が45万1500円/トン前後。前年比で5000円ほど高い。
- 需要が底堅い。足元では半導体不足で自動車供給量は伸び悩むが、部品メーカーは下期には生産が回復すると睨み合金の調達ペースを落とさない。一方、供給は中国の内需が強く、輸入量が減り、絞られている。
- 今後、行き過ぎた値上がりに需要家からの抵抗が強まれば上げ幅が抑えられる可能性がある。
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