中国、海外上場の監督強化 政治局会議で方針
30日、中国は中央政治局会議にて21年下半期の経済運営方針を決めた。
海外上場の監督強化等が主眼。
- 政治局会議は習近平総書記が毎月主催。3か月毎に当面のマクロ経済運営の方向性を定める。この内、7月の会議は下半期の方針が決まるので注目度が高い。
- 会議内で習は海外上場によるデータ流出を中国経済のリスクと位置づけ。海外に上場予定の中国企業でユーザー数が100万人以上の企業に審査を行う。
- その他、インフラ投資の加速で地方経済の促進、不動産規制を強め投機を抑制する事による価格安定、3人目の出産を認める少子化対策等の方針を示した。
主要10品目、買い越し残高1年ぶり低水準
欧米の商品先物市場での主要10品目の投機筋の買越残高の合計が約1年ぶりの低水準に。
利確売り広がる。
- 米商品先物取引委員会(CFTC)によると、米市場に上場する原油、金、トウモロコシなど主要10品目の買越残高は20日時点の合計で107万枚と、20年8月以来の低水準に。今年1月と比べると41%減少。
- 商品により詳細な背景は異なるが、共通する原因は商品買いの根底にあった、先行きの景気回復やインフレの強気の見通しが緩和したこと。6月のFOMCによるテーパリング議論の着手開始も主因の一つとみられる。
米比軍事協定、存続で合意
30日、米国は東南ア3か国来訪を終え、各国に対し、
米国の関与継続および軍事協定の存続に合意した。
- オースティン米国防長官はシンガポール、ベトナムで米軍の関与継続を訴え、フィリピン(比)と軍事協定の存続に合意した。対中国シフトを加速し、有事の際は西太平洋で部隊を分散させて中国軍に対処する戦略。
- 特に比との軍事協定(VFA)の存続は大きな成果。VFAが仮に消滅すると米軍が比で活動出来なくなる可能性があり、対中戦略として軍事基地を分散したい米国として痛手となるリスクがあった。
- 米政権は秋までに軍の世界展開の見直しを完了する。
小米 スマホ世界2位浮上 4~6月出荷 アップル抜く
中国のスマホ大手、小米(シャオミ)が世界の四半期別のスマホ出荷でシェア2位に浮上。
新興国での販売が好調
- 21年4~6月期のスマホ出荷台数で小米は前年同期比87%増の5310万台と大幅増。世界シェアは同6.6%増の16.9%で1位のサムソンの18.8%に迫り、3位のアップル(14.1%)を引き離した。南米・アフリカの新興国他、西ヨーロッパでの販売が好調。
- 低価格へのこだわりが奏功した。18年の上場前の取締役でスマホの利益率が5%を超えないことを決議。サムソンに比べて40%、アップルに比べて75%安価な販売価格を維持しながら高機能化を進めてきた。
国内の上場企業7割、コロナ前回復
21年4~6月期決算を発表した上場企業の内、7割がコロナ前の最終損益を上回った。
世界経済再開に起因。
- 30日までに決算発表した502社の内、340社の21年4~6月期の最終損益がコロナ前の2年前を上回った。製造業では72%がコロナ前を超え、非製造業では63%となった。特に好調なのが電気機器や化学。
- 経済の再開で物の動きが活発になり市況が回復する。セクター別だと半導体やその他電子部品および機器、塩化ビニール樹脂(米国の住宅利用等)の需要が伸長。今後、半導体の需給やデルタ株の動向で回復の継続性が試される。
製薬大手 株価回復鈍く 武田や第一三共、増収でも
製薬大手の事業環境は主力薬の販売増や通院数の回復等で好転も、株価の戻りが鈍い。
研究開発費増を嫌気。
- 21年4~6月期決算を発表した製薬大手5社の内、4社の19年比の下落率が日経平均株価を下回った。
- 各社、前年比で売上は伸ばしたが、研究開発費の増加を主因に営業利益が前年比で減少。市場が嫌気した。
- 中外製薬のみはへムライブラの海外販売数伸長が研究費を補い利益増を達成。日経の上を行く株価成長。
- 各社は主力薬の特許切れに備え研究開発費を増やすが、新薬開発の成功率は2万5000分の1。治験を続けても成果が出なければ開発効率は落ち続ける。
航空株、コロナ後も逆風
航空関連株の低空飛行が続く。
デルタ株の拡大が主因だが、根底には事業モデルそのものへの懸念がある。
- ANA, JALの株価は6月の高値から13%、17%安。ダウジョーンズ米航空関連株指数も同16%安。足元で国内線の利用者数が回復し、一般の需要回復が見えている一方、ビジネス需要の回復が疑問視される。
- 実は米国の国際線、および日本の国内線のビジネス利用者数は08年の金融危機以降、それ以前の水準を超えていない。コスト削減のため出張が減少した。
- 更に昨今リモートワークが拡大。ビジネス利用は今後も伸び悩むとみられ、悪化した財務への不安が強まる。
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